骨の髄まで私に尽くせ。第1話ネタバレ

骨の髄まで私に尽くせ。

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著者:長堀かおる

第1話:平凡で平穏なあんたの部屋で死んでやる

ダンダンダン

 

真っ暗な家の階段をかけあげる藤田。
階段の明かりをつける事すら煩わしく、急ぐ藤田の行先は・・・

 

藤田が2階の部屋のドアを荒々しく開けると、そこには寝間着姿の女が眠っていました。
が、普通と違うのは女の周囲には薬の瓶が転がり、腕はカットした傷跡だらけ・・・

 

明らかに”あること”をしようとしていたような状況です。
「さやか・・・お前」
藤田はベッドの上の女、仲村さやかに近づき、さやかを引きずり起こします。
「もういい加減にしてくれよ!!」
「どうせ死ぬ気なんかないんだろ!!」

 

ブチ切れ気味に怒鳴る藤田。
その怒鳴り声で目が覚めたさやかは、いきなり藤田を殴りつけます。
「なんでそんなこと言うの!」
「私がっ!嘘つきみたいな言い方して!!」

 

さっきまで眠っていたとは思えない剣幕で逆切れするさやか。
必死で何かを訴えかけてきているのですが、さやかの訴えは別の人物によって中断されてしまいます。
「・・・パパ?帰ってきているの?」

 

声の主は藤田の妻。
つまり藤田は妻以外の女を自室に招き入れていたのです。

 

藤田にとって、さやかに振り回される前までは普通の小市民的生活をしていました。
藤田家は藤田と妻、そして娘の花音(かのん)の3人でそれなりに幸せに暮らしていました。
藤田の唯一の不満は妻とレスだということくらい。
それ以外は妻は完璧とってもいいくらいです。

 

家事もできるし育児も文句なし。
頼りがいがあって一家の大黒柱的な強さを持っています。
藤田から見ても妻の背中は逞しく、頼りがいがあります。
それは藤田が望んだ妻ではなかったようです。

 

もっとも、そのおかげで家のことは妻に任せて会社で仕事に専念できるのですが。
そのおかげか、28歳という若さにして会社ではそれなりに評価されているようです。
その日も帰り際に係長に飲みに誘われます。
「藤田くん、最近頑張っているね。この後久しぶりに1杯どう?」

 

せっかくの係長のお誘いなので、お言葉に甘えて飲みに行く藤田。
しかし、酒が入ってしまうと普段の愚痴が噴出してしまいます。
「妻が娘産んでからすっかり逞しくなっちゃって・・・」
係長は子供の手が離れるまでと言ってくれますが、それって何年かかる事やら。

 

帰り道ですれ違う若いカップルの楽しそうな表情が余計に藤田の心に突き刺さります。
(俺だってまだ28の男なんだよ・・・)
完全にグレてる藤田ですが、人ごみの合間にある女性を見つけます。
その女性は物悲し気な表情で足早に歩いています。
藤田には一瞬視界に入っただけなのですが、その女性が誰であるのか直感的に理解したようです。
藤田は人込みを掻き分けて女性を追いかけます。

 

 

骨の髄まで私に尽くせ。第1話感想

物語冒頭、藤田の家で暴れまくる美女、その子こそが「骨の髄まで私に尽くせ。」のヒロイン仲村さやかです。
ほとんど自爆未遂を起こしているさやかですが、藤田に見つけられて逆切れ。
どうやら本当に骨の髄まで尽くされないと気が済まないタイプのようです。
しかも、騒ぎに気付いた藤田の妻が部屋にやってきて・・・
冒頭からいきなりトバしてます。

 

第1話を見る限り、藤田は普通の家庭を築いている普通のサラリーマン。
妻がちょっと逞しすぎることを悩んでいるようですが、それ以外はまあまあの日常を送っているようです。
その藤田の平和な日常を破壊したのが仲村さやか。
彼女との出会いは夜の街で一瞬すれ違った程度。
しかし、藤田はそれがさやかであることに気づいたということは、ふたりの間に昔浅からぬ因縁があったということですよね。
この偶然かつ運命の出会いが、どう縺れたら冒頭の惨劇に繋がっていくのか展開が読めません。

 

骨の髄まで私に尽くせ。

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