骨の髄まで私に尽くせ。第2話ネタバレ

骨の髄まで私に尽くせ。

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著者:長堀かおる

第2話:何故、男は「卒業」で女は「喪失」なのか

上司との飲みの帰りに偶然見つけた女性、それはかつての同級生で初恋の人・仲村さやかでした。

 

ドクン

 

予想外の邂逅に心臓が高鳴る藤田。
その女性、さやかは藤田に気づかず足早に立ち去ってしまいます。

 

思わず駆け出してさやかの後を追う藤田。
「あの!すみません!!」

 

人込みを掻き分け、ようやくたどり着いた彼女ですが、なんと声をかけてよいのか判りません。
結局、なんだかナンパのような呼びかけになってしまいます。

 

さやかは物憂げにこちらを振り向き
「・・・ひさしぶり」
まだ何も言っていないのに、相手が藤田であることに気づいたさやか。
もう10年以上会っていないのに、さやかが藤田に気づいたのは理由があります。
それは藤田とさやかがまだ学生だった頃

 

---
「い、いじめは卑怯だよ」
女子トイレに引きずり込まれヤンキー女に絡まれる藤田。
藤田はさやかをかばおうとしたのですが、そんなことをヤンキー女が許すはずもありません。
「うちら、コイツのスカート洗ってやってるだけだし」

 

そのスカートを洗ってもらっているさやかが来ているのはブラウスのみ。
スカートははぎ取られ、しかもずぶぬれです。
「お前、仲村のこと好きなんだろ?」
「違っ・・・仲村なんか好きじゃないし!」

 

否定しつつも藤田の視線はさやかの真っ白な足に吸い付けられてしまいます。
ヤンキー女にバカにされつつも、さやかの姿を見て興奮してしまう藤田。
しかも、それをヤンキー女たちに見つかってしまいます。
「これ、仲村に挿れさせちゃったら、超おもしろくね?」

 

最悪の提案をするヤンキー女。
その時のさやかの表情は藤田にとって忘れる事ができないほどのものでした。
さすがにそんなことはできないと抵抗する藤田。

 

しかし、ヤンキー女の一言で凍り付きます。
「お前、妹がいたよな?」
遠まわしな脅迫。
しかし、それは藤田の抵抗の意思をくじくには十分すぎました。

 

もしここでヤンキー女とケンカしたら妹が酷い目にあう。
それなら、さやかとやった方が楽なのではないか?
葛藤する藤田ですが、ヤンキー女はその沈黙を了承と受け取ったようです。

 

ヤンキー女はさやかに命じて自ら挿れさせます。

 

その後のことは藤田にとって思い出すのも嫌な事でした。

 

---
「なん・・・で・・・」
藤田のこの一言にはとてつもない重さと様々な思いが一緒になったものでした。
イジメられてとはいえ、一線を越えてしまったふたり。
しかもさやかはその後転校してしまい、音信不通になっていたのです。

 

藤田はさやかに謝ろうと思っても連絡もつかず、ずっと心の奥底にわだかまりを持っていたのです。
とっさにその場に土下座する藤田。
「あのときのこと・・・本当にごめん。ずっと謝りたかったんだ」

 

藤田からしたら当然の謝罪。
しかし、それはさやかにとっては予想外の行動でした。

 

骨の髄まで私に尽くせ。第2話感想

藤田とさやかの過去の傷が明らかになった骨の髄まで私に尽くせ。第2話です。
この時の事件が原因でさやかが壊れてしまったのなら、骨の髄まで私に尽くせと言われても仕方がありませんね。

 

しかし、「骨の髄まで私に尽くせ。」第2話ラストで見せるさやかの表情はとてもそんな無茶を言うような人間の顔ではありません。
藤田のことは一目見ただけで分かったようですが、むしろ謝罪されたことを意外に思っているようでした。
さやかが本当に藤田のことを恨んでいたり、事件のことを引きずっているのならこんな表情はできませんしね。

 

ちなみに、2話のタイトル「何故、男は「卒業」で女は「喪失」なのか」は完全に暗喩的なものですね。
藤田とさやかの過去のその後をそこはかとなくにおわせるあたり、骨の髄まで私に尽くせ。は深読みが楽しくて先が気になります。

 

骨の髄まで私に尽くせ。

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