骨の髄まで私に尽くせ。第5話ネタバレ

骨の髄まで私に尽くせ。

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著者:長堀かおる

第5話:無性に甘い物が欲しくなる時ってあるでしょ?だから釣れるの。

「パパったら!聞いてる!?」
家に戻ってぼーっとしていた藤田。
それを現実に引きもぢしたのは半分切れ気味の妻の声でした。
「ごめん、なんだっけ?」
「あのさ、今日わたし体調悪いからお弁当買ってきてって言ったよね?」

 

もちろん藤田はその約束のことは忘れていません。
ただ、買って来たものはから揚げ弁当やチンジャオロース弁当、コロッケ弁当といった脂っこいものばかり。
とても妊娠で気分が悪い妻に食べさせるものではありません。

 

「早く帰ってきてくれたのは助かるよ?でも食べられるかっての」
わざとらしく萎れてみせる妻。

 

藤田としてはさやかのことで頭がいっぱいでとても妻のことにまで頭が回っていなかったのは事実です。
弁当を忘れずに買ってきたのは大したものなのですが、チョイスが大失敗。
買い直してくるという藤田に妻は
「いいよ、私はおかゆでも食べるし」
と投げやりな返答。

 

「ちょっとは自分で考えてよね」
そして藤田に投げつけられる無遠慮な言葉。
「ごめん」
「そうやってすぐに謝られるの、すごいバカにされてる気がするんだけど」

 

さっきまでの萎れた態度はどこへやら。
ガチギレで藤田を糾弾してきます。
とはいえ、この状況って謝る以外に方法がないと思うのですが・・・

 

娘の前で夫婦喧嘩なんて教育に良くないと思う藤田ですが、当の花音は
「ママはやくおかゆつくれば?おなかすいた」
と傷口に塩を塗るような強烈な追撃を入れてきます。

 

娘にまで攻撃された妻は「寝る」とだけ言い残して自室に籠ってしまいます。
残された藤田は一応娘に注意するのですが、
「だってママ、赤ちゃんのせいで具合悪くてイライラしてるんだもん」
と超正論を返されてしまいます。
藤田は娘にごめんと言うだけで精いっぱいです。

 

 

自室に戻って先ほどのやり取りを思い返す藤田。
藤田にとって妻は1言えば10言い返してくる怖い相手です。
その考えに恋愛感情なんて全く残っていないことを藤田は自覚しているのでしょうか?

 

これ以上考えても仕方ないと携帯をみると、さやかからメッセージが入っており、可愛いスタンプと共に
「お疲れ様(*´▽`*)明日の夜ご飯でもどう?」
妻との殺伐としたやり取りの後のメッセージに藤田も自然と笑みがこぼれます。

 

翌日、約束通り夕食に行くことになった藤田とさやか。
駅で待ち合わせていると、やってきたさやかはおしゃれで可愛い恰好です。
最近は妻のジャージ姿しか見てない藤田にとって、その姿は十分すぎるほど癒しでした。

 

フレンチを食べながら昔話に花を咲かせる藤田とさやか。
お酒が入っていることもあってか、話も弾みます。
「俺なんかがこんなことを言うのもアレだけど」
「変わってないね」
藤田がさやかに言いたかったことをそのまま返されてしまいます。
「藤田君と話していると、穏やかで優しくて、すごく安心するんだ」

 

「あ、ありがとう」
・・・妻にはしばらく行ってないであろう言葉をさやかに贈る藤田。
店を出るときは自然に手をつないでいました。
「なんだかこうしていると・・・普通のカップルみたい」

 

帰り道のショーウィンドウに映る藤田とさやか。
その姿を見ての一言は藤田にとってどれだけ効いたのでしょうか。
「このあと・・・どうする?」

 

藤田に次を聞いてくるさやか。
もちろん藤田は・・・

 

骨の髄まで私に尽くせ。第5話感想

骨の髄まで私に尽くせ。の第5話はなんと言うか対比の回でしたね。
妊娠して仕方がないとはいえ、いつもジャージ姿でぐちぐち文句ばかりの妻。
それに対して、きれいに着飾って優しくて、藤田のことをほめてくれるさやか。
藤田がどっちに好意を抱くかなんて火を見るよりも明らかですね。

 

さらにレストランでは「俺なんか」と自分を卑下する藤田を優しくいさめてくれるさやか。
そして、自信をもってと励ましてすらくれます。
多分藤田が妻よりさやかの側に傾いてしまった瞬間でしょう。

 

例によって骨の髄まで私に尽くせ。第5話のタイトルは「無性に甘い物が欲しくなる時ってあるでしょ?だから釣れるの。」。
つまり、さやかは藤田の精神状況を見定めてエサを撒いてきたというところでしょうか。
とはいえ、判っていてもこの甘い物に逆らえる男は少ないはず。
事実藤田もレストランから出たときは自然に手をつないでいましたし。

 

そして極めつけは帰り際の「このあと、どうする?」です。
誘っておきながら、最後の決断は藤田に任せる。
もう据え膳以外の何ものでもありませんね。というかさやかマジで可愛い。

 

まだまだ甘々回が続く「骨の髄まで私に尽くせ。」ですが、徐々にさやかに絡めとられているような気がします。

 

骨の髄まで私に尽くせ。

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