骨の髄まで私に尽くせ。第7話ネタバレ

骨の髄まで私に尽くせ。

▲無料画像はこちら▲

 

著者:長堀かおる

第7話:教えてあげよっか、アノ日から私がどんな目に遭っていたのか?

「つらい・・・死ねるかな・・・」

 

とんでもないメッセージとともに送られてきた写真。
それはこれでもかと言うくらい斬りまくったさやかの腕の写真でした。
「消えちゃいたい・・・バイバイ」
「私なんていないほうがいい」

 

さやかからのメッセージは自己否定のオンパレード。

 

藤田にできることと言えば、とりあえずメッセージを返して考え直させることくらいです。
「何してるの!?やめなよ!!」
ですが、さやかから帰ってくるメッセージは相変わらず悲観的なものばかり。
「薬あるだけ全部飲んだ」
「気持ち悪い」

 

・・・これはつらい。
つい数時間前まで肌を重ねていた相手にこれをやられると相当効きますね。
メッセージではらちが明かないと思った藤田はさやかに電話しますが・・・でない!?

 

まさに確信犯的な対応ですが、藤田を焦らせるには十分過ぎる効果がありました。
本音を言えば今すぐ家を出てさやかのところに行くべきだと思っている藤田。
しかし、娘の花音が高熱で寝込んでいるときに家を出ると、後で妻と揉めかねません。
というか、100%揉める。

 

どうすることもできずに悩む藤田・・・ですが、結局さやかからそれ以上の連絡はありません。
結局そのまま寝てしまいます。

 

朝になって妻には早く出る用事があると言って家を出る藤田。
妻からは朝ごはん要らないのと聞かれますが、今の藤田にとってそんなものに構っていられません。
「いってきます!」
いつもと違って言葉が硬くなっているのに気づいているのでしょうか。
幸い寝起きの妻は藤田の様子の変化に気が付かなかったようです。

 

家を出るなりダッシュする藤田。
向かう先はもちろんさやかの家です。
しかし呼び鈴を押しても誰も出ません。
思い切ってドアノブに手をかけてみると

 

カチャ・・・

 

どうやらカギはかかっていなかったようで簡単にドアが開きます。
カーテンを閉め切っているのか家の中は真っ暗。
さやかの家は一般的なアパートだったので、玄関からリビングの様子は見えません。
「ごめん!入るよ!?」

 

女性の家に断りもなく入るのは気がひけますが、さやかの昨日の様子から大変なことになっている可能性も捨てきれません。
リビングに入ると、部屋着のさやかがテーブルに突っ伏しています。
そして足元には薬の容器と血まみれのティッシュが落ちています。

 

「さやかちゃん!」
驚いてさやかの肩に左手をかける藤田。
「ん・・・藤田くん、来てくれたの?」
けだるそうな表情で藤田を見つめるさやか。
このとき、さやかの視線はどうやら藤田の左手薬指、つまり結婚指輪に向けられていたような・・・

 

藤田はさやかが大事には至っていない事を確認してほっと一息。
しかし、大変なことになっているのは確かです。
はやく病院にと言う藤田ですが、さやかは藤田に頭を預け
「いいの、一樹くんがいてくれたら」
「昔の・・・昔のこと思い出してたの」

 

「私には、居場所がなかったの」

 


――
―――

 

さやかの言う「昔のこと」とは藤田がさやかの処女を奪ってしまったときのこと。
トイレでヤンキー女たちに無理矢理させられてしまったとはいえ、それは事実。
さやかにとっては死ぬより辛かったのでしょう。
学校に居場所がなくなったさやかですが、それは家に帰っても同じです。

 

制服はヤンキー女たちに「洗濯」されてしまったので、ジャージで家に戻るさやか。
ボロボロのアパートに帰っても、待っているのはご飯代の1000円だけ。
お風呂に入って汚れを落としていると自然と涙がこぼれてきます。

 

しかも両親は夫の浮気が原因で離婚。
家を出ることとなったさやかと母親ですが、その後もロクな事はありませんでした。
母親は新しい男を作って再婚しますが、この男がまたもやクズ。
「さやかちゃん、勉強見てあげようか?」
と言いながら目的は別のこと。

 

 

 

骨の髄まで私に尽くせ。第7話感想

さやかのリストカット写真が送られてきたところから始まる「骨の髄まで私に尽くせ」第7話です。
さすがに焦りまくる藤田ですが、それでも家から出られないあたり、まださやかに傾倒しきってないですね。
それでも朝一でさやかの家に直行するあたり、大切に思っていることはたしかなのでしょうけど。

 

さやかの家に着くと、ドアの鍵は開きっぱなし。
そして、さやかの周囲には血の血たティッシュがたくさん落ちています。
これってつまり、自分で治療してますよね・・・
ドアのカギと言い、さやかは藤田が来ることを見越してワナを張っていたとしか思えません。

 

とはいえ、その後語られるさやかの過去は嘘偽りない真実です。
藤田にやられちゃったうえ、父親は浮気して離婚。
ついでに再婚相手はドクズとお腹いっぱいです・・・
こんなすさまじい過去があったなら歪んでしまってもしょうがないな〜と思ってしまいます。
どうやら藤田も同じことを感じてしまったらしく、さやかに余計に愛情を注ぐようになってしまいます。
そしてズブズブと泥沼に踏み込んでいくことになるのですが・・・

 

それにしても、藤田がさやかを起こした時、さやかは藤田ではなく藤田の左手薬指にある結婚指輪を見つめてるんですよね。
さやかが藤田の結婚指輪を見つめるのはこれで2回目。
1回目はホテルで指輪跡を見つめ、そしてさやかの家で結婚指輪をはめている藤田の指を見つめ・・・
これが何を意味しているのか。
さやかの過去と照らし合わせても、さやかにとっていい意味はないと思うのですが、さやかの口から出た言葉は「一樹くんがいてくれたらいい」です。
・・・どう考えてもヤバい方向に話が進んでますよね・・・

 

ちなみに、「骨の髄まで私に尽くせ。」7話で遂にお互い「さやか」「一樹くん」と呼び合います。
やっぱりここで一千超えちゃったと見るべきでしょうね。

 

そのあたりが描かれる骨の髄まで私に尽くせ。第8話が楽しみです。

 

骨の髄まで私に尽くせ。

▲無料画像はトップから▲

 


inserted by FC2 system